組手入門(8)
組手入門 (8)ゴールはどこか
剣の道では「一眼二足三胆四力」という。
「使用法」の稽古をして、
間合いを見切る「眼」と相手の出を待つ「胆」を養いつつ、
身につけた技を実際に発揮しようと思えば、
「足」に象徴される動きのスピードと「力」を身につけておきたい。
躾道館には、
「嫡流真伝中国正派拳法」と並ぶもうひとつの大きな柱、
「太氣至誠拳法」があるが、
武術の経験のない人には、
まず嫡流真伝中国正派拳法からやってみたらどうですか、
という提案をしている。
首席師範が修業してきた順番通りに学ぶのを
オススメしているのはなぜかというと・・・。
立禅と這いに代表される太氣拳の稽古をすると、
体の動きと力の次元が変わってくるのを実感するようになる。
さて、ここで例え話。
自動車にどれだけポテンシャルの高いエンジンを積んでいても、
地図がなかったら、目的地にいち早く到着することはできない。
超高速で走れるF1カーに乗っても、
コースを読めなければ、トップでゴールすることはおぼつかない。
立禅と這いは、いわば自分の体が
乗用車からF1マシンに置き換わるような稽古だ。
それによって、新しい体をつくり、反応をつくり、
第六感まで研ぎ澄ましたとしても、
そのときに自分から出てくる技が、何もなかったら?
いったい、どういう闘い方ができるというのだろうか。
「体は出来ている。好きにやりなさい」と励ます?
・・・こういうスタイルを、第1回でプールに投げ込む方式と名付けた。
(人によっては有効だが、即挫折の危険も伴う)
とはいうものの、逆もまた真である。
いくら「使用法」を全て記憶しても、瞬時に体が動かなければ、
たとえ間合いが見切れてもその瞬間に反応できなければ、
せっかくの「使用法」が使えないことになるから。
躾道館の門をたたき、太気拳から始めたい、と言って、
使用法を横目に見ながら太気をメインに稽古している者もいた。
おもしろいことに、そういう人もやがて、使用法をコツコツ稽古するようになる。
「『使用法』って、やっぱり使えますよね」と言いながら。
だから、もうどちらから入っても、結局は同じことではある。
嫡流真伝中国正派拳法と太氣至誠拳法は車の両輪。
「使用法」という技が身についた、最高性能の体。
それが、躾道館の理想とする姿である。
(組手入門・終わり)
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